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2011年6月 アーカイブ

2011年6月10日

ETN(Exchange Traded Note)

ETN(Exchange Traded Note)とは、上場債券、上場投資証券、指標連動証券などと翻訳される有価証券。ETF(上場投資信託)とは異なり、裏づけとなる資産を保有していないことが特徴で、裏づけとなる資産の保有が難しい指標でも組成が可能な証券となる。

ETNによって投資家は様々な市場のベンチマークに対して投資をすることができるようになる。ETNは取引所で取引が可能で、売り建て(ショートポジション)が可能である。
リスクとしてはETN自身には担保が何も無いため、発行体の信用リスクをまるまる投資家がかぶることになるという点が挙げられる。


ETNとETFの違い
ともに、類似している金融商品。ETFもETNも特定の指数等に対して連動するように作られており、市場(証券取引所)において売買されている。
このETNとETFの違いを述べると「ETNは債券であり、ETN発行体がその連動を保証しているもの」「ETFはファンドであり、当該ファンドが対象の商品を保有している」という違いがある。

そのためETNは対象となる指数にほぼ完全に連動しトラッキングエラーが生じない。その一方で、その連動を保証しているのはETN発行会社であり、発行会社の信用リスク(破綻リスク)を負うことになる。

対するETFはファンド自身が資産を持つため、運用会社のリスクは負わないがその一方で、指数価格と100%連動するわけではない(トラッキングエラーが生じる)。

2011年6月15日

72の法則

72の法則とは、金融・投資において複利効果によって資金を元本の2倍にするためにかかる期間を計算する方程式のこと。72を金利で割ることによって、2倍にするために必要な期間を計算することができる。また、逆に72を2倍にしたい年数で割れば、そのために必要な利回りを算出することもできる。

例えば、年利3%で資産運用をしたとすると、72÷3(%)=24(年)となり、投資資金を年3%の利回りで運用できた場合は24年後に投資資金を2倍にすることができる。
逆に、投資資金を10年で2倍にしたいという目標を出した場合は、72÷10(年)=7.2(%)と計算することができ、10年で資産を2倍にするには、年に7.2%の利回りで運用する必要があるということがわかる。

なお、この計算が適用されるのは「複利計算(投資によって発生した収益を翌年元本に追加して計算すること)」による場合に限定される。単利計算の場合は単純に100を年数や金利で割ったものが2倍になるために必要な期間となる。

2011年6月16日

スイープサービス

スイープサービスとは、自動スイープサービス、資金スイープサービスなどとも呼ばれるもの。金融機関に預けている資金などを別の金融機関での取引に利用することができるようなサービスのこと。近年では、同系列の銀行と証券会社の間で資金スイープサービスが行えることが多くなっている。

下記では、銀行と証券会社間における資金スイープサービスについて紹介する。

銀行と証券会社間においてスイープサービスが利用できる場合、その銀行にお金を預けておく事で、スイープサービスの対象となる証券会社において当該銀行の預金口座に預けてある資金を投資資金として使うことができるようになる。

例えば、A銀行とA証券の間で資金スイープサービスが利用できると仮定する。
A銀行に100万円の資金を預金、A証券には1円も預けていない場合、A証券における投資余力は100万円となる。
A証券において投資信託を50万円購入した場合、自動的にA銀行の口座から50万円が差し引かれて、A証券において50万円の投資信託預かりとなる。

その後、投資信託を60万円で売却した場合、その60万円は再度A銀行の口座に自動的に払い戻されて、A銀行に110万円の預金、A証券に0円の預かり金という形になる。


近年では、ネットバンクとネット証券の間で資金スイープサービスがスタートしている。
下記は2011年現在で実施されている実例である。

・住信SBIネット銀行(ハイブリッド預金)+SBI証券
・楽天銀行(マネーブリッジ)+楽天証券
・大和ネクスト銀行+大和証券

※ハイブリッド預金、マネーブリッジというのはそれぞれの銀行におけるスイープサービスの名称。

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