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2012年2月 アーカイブ

2012年2月 1日

店頭デリバティブ取引

店頭デリバティブ取引(てんとうでりばてぃぶとりひき)とは、証券取引所や金融商品取引所といった取引所の外で行われるデリバティブ取引(派生商品取引)のこと。銀行や証券会社といった金融機関と直接取引できるデリバティブ取引である。199年の証券取引法改正により解禁された。

代表的な店頭デリバティブ取引としては、有価証券や株価指数等の先物取引、オプション取引、スワップ取引などがあげられる。近年、個人投資家に人気の外国為替証拠金取引やバイナリーオプション取引なども店頭デリバティブ取引にあたる。

2012年2月 7日

為替ヘッジ

為替ヘッジ(かわせへっじ)とは、先物取引やオプション取引等を利用して為替変動リスクに対してヘッジ行為(回避行為)を行うこと。たとえば外国債券や外国株式に投資をする場合、それぞれの外国通貨の為替レートの変動によるリスクを負うが、為替ヘッジを行う場合、その為替リスクはなくなる。

いわゆるヘッジ取引の一つであり、為替レートの変動によって損失が出るリスクをカバーする取引全般を指す。代表的なものに「為替予約」がある。

なお、為替ヘッジを行う場合、それぞれの当該通貨間における金利差を「為替ヘッジコスト」「為替ヘッジプレミアム」という形でやり取りをする。

高金利通貨を買い、低金利通貨を売る場合は為替ヘッジプレミアムを受け取り、高金利通貨を売り、低金利通貨を買う場合には為替ヘッジコストを支払う形となる。

2014年現在、日本円の金利は世界的にも最低水準となっている。
そのため、投資信託などで海外の運用商品を買う際に、「為替ヘッジあり」の商品を選択した場合には為替レートの変動による元本変動はないが、ヘッジコストがかかるため、為替ヘッジなしの場合と比較して、為替レートに変動が無い場合はリターンは低下する。

スイッチング(投資信託)

スイッチングとは投資信託において、ある特定のファンド同士で運用を切り替えることを指す。通常は投資信託ごとにスイッチングが可能なファンドがあらかじめ定められており、それらの間であれば投資信託の切り替えが可能となる。

特にブルベアファンドなどには「ブル」「ベア」「マネープール」という三つが用意されているのが一般的で、ブル(強気。今後の相場上昇を予想)、ベア(弱気。今後の相場下落を予想)、マネープール(中立。相場の影響を受けない)というようなファンドもある。

このほかにも、為替ヘッジありと為替ヘッジなしのスイッチング、通貨単位のスイッチングなどスイッチングが可能な投資信託は多い。

なお、スイッチングには投資信託の販売手数料がかからないタイプと手数料がかかるタイプがある。手数料がかかるタイプのスイッチングを過度に繰り返すと、大きな手数料が発生するというケースも多いので注意が必要。

2012年2月13日

権利行使価格

権利行使価格(けんりこうしかかく)とは、オプション取引においてオプションの買い手が売り手に対して行使可能な原資産の売買価格のこと。原資産の価格がインザマネーの状態で権利行使することで現在の価格と権利行使価格との差額を利益とすることができる。ストライクプライス、エキササイズプライスとも呼ばれる。

たとえば、ある原資産を100円のコールオプションを買っている場合を仮定する。
この状態で原資産価格が150円となっている場合、権利行使をすることで現在の原資価格の150円に対して権利行使価格が100円であるため、権利行使をすることで50円の利益を得ることができる。
ちなみに、権利行使価格が原資産の価格を下回っている場合は権利を行使せずに放棄する。

キャッシュオアナッシング

キャッシュオアナッシング(Cash or Nothing)とは、バイナリーオプション(デジタルオプション)において、満期時にインザマネーとなった場合に固定化された価値を持ち、アットザネーやアウトオブザマネーの場合には価値がゼロとなるオプションのことをさす。

関連用語:アセットオアナッシング

アセットオアナッシング

アセットオアナッシング(Asset or Nothing)とは、バイナリーオプション(デジタルオプション)において、満期時にインザマネーとなった場合に原資産と同じ価値を持ち、アットザネーやアウトオブザマネーの場合には価値がゼロとなるオプションのことをさす。

関連用語:キャッシュオアナッシング

2012年2月16日

休眠預金

休眠預金(きゅうみんよきん)とは、銀行の休眠口座に預けらている預金のこと。銀行口座を長期にわたって放置しておくと払い戻しの意思なしと解釈され、時効が成立する。その上で一旦銀行の利益として計上される。ただし、その場合でも本人が窓口で払い戻しを請求することで当然返還してもらうことは可能。

休眠口座

休眠口座(きゅうみんこうざ)とは、銀行において10年以上利付け(銀行からの利子の支払い)以外の入出金がない口座で預金者と連絡がとれないもの。法的に一定期間を放置すると預金者の権利は失われるが、現状は休眠口座となった場合でも預金者(またはその相続人等)からの申し出があれば払い戻しを行っている。

2012年2月18日

戻り高値

戻り高値(もどりたかね)とは、株式相場や為替相場などにおいて下落していた株価等が、反発してつけた最高値の事を指す。戻り天井とも。対義語は戻り安値。たとえば、10000円の日経平均株価が一旦9000円まで下落し、その後9200円まで反発、その後再び下落したとする。このときの戻り高値は9200円といわれる。

戻り高値付近では前回の反発で買った投資家の売り圧力が強いため、相場の節目の一つとされる。

2012年2月20日

イールドスプレッド

イールドスプレッド(Yield Spread)とは、利回りの差のこと。たとえば、信用リスクの異なる国債と社債との金利差を比較したり、満期(期間)の異なる債券同士の金利差を比較することで利回りの魅力度やリスクを判断することができる。また、債券同士ではなく、長期金利と株式益利回りの差を計算することで株式相場の割高・割安を判断するのにも利用される。

長期金利と株式益利回りの差が小さいほど、株式相場は割安と判断される。逆に、この差が大きいほど株式相場は割高であり、債券投資が有利であると判断される。

関連指標として「イールドレシオ」「イールドギャップ」などがある。

コンソル公債

コンソル公債(Consols)はイギリスで発行されている債券の一種。永久債の代表的な存在。一定額のクーポン(利子)が支払われるが、償還期限(満期)は設定されていない。永久支払いであることから債券価格は利子額÷利子率により簡単に計算できる。

現在でもロンドン金融市場において取引されている。コンソル公債は利子と価格を説明する上で非常に分かりやすい例であることから、コンソル公債は経済学における様々な説明に使われることが多い。

エマージング債

エマージング債とは、新興国債券のこと。ロシア、東欧、中南米、中国、インド、東南アジアなどが含まれる。こうした新興国は今後大きな経済成長が見込まれる半面で、信用リスクやカントリーリスクも高い。近年はこうしたエマージング債に投資をする投資信託(ファンド)も多数設定されている。

一物一価の法則

一物一価の法則とは、経済学上の概念。財・サービスの価格、取引が自由に行える市場では、同じ商品の価格は一つに決まるという法則を指す。自由市場経済において取引が自由に行え、かつ価格に関する情報が十分に与えられるのであれば、国内外を問わず同じ商品の価格は同一となるという説。

仮に、当初は同じ財がAという国では1000円、Bという国では800円で売買されていたとする。この場合は、Aという国とBという国との間では裁定取引(アービトラージ)が発生する。価格の低い市場(B国)では需要の増大により価格が上昇、価格の低い市場では供給量の増大により価格が下落する。
これにより価格差は収れんし、価格は一定になるという法則である。

ただし、一物一価の法則が成立するのは完全競争市場であるという点が前提とされている。完全競争市場は売り手と買い手が十分に存在し、当該財に対する情報の完全性(レモン市場ではない)、取引されている財の同質性、市場への参加・撤退が自由という点を満たす市場。

限月間スプレッド取引

限月間スプレッド取引とは、裁定取引の一種。先物取引において同一の商品で限月の異なる商品の価格差を取引する取引のこと。期近先物と期先先物との間で行われる。割高な限月の先物を売りし、逆に割安な限月の先物を買う。

期近の限月を買い+期先の限月を売りという場合を「スプレッド取引の買い」
期近の限月を売り+期先の限月を買いという場合を「スプレッド取引の売り」


市場間スプレッド取引

市場間スプレッド取引とは、異なる複数の市場における価格差を利用した裁定取引の一種。株式投資の場合が代表的で、東京証券取引所と大阪証券取引所のそれぞれでの株価が異なる場合、割高な方を買い、割安な方を売るという戦略がある。

ただし、上記の例で価格差が生じることはほぼ稀である。上記の例の他には、大阪証券取引所で取引される「日経225先物取引」と同じシンガポール国際金融取引所(SIMEX)に上場している「日経225先物取引」の価格差を取引するのも市場間スプレッド取引となる。

ただ、市場間スプレッド取引で利益を生み出そうとすると、よほど大きな価格差が生じしないと同時に売買ができない市場間でのアービトラージは難しい。

2012年2月21日

本質的価値(オプション取引)

本質的価値(Intrinsic Value:ほんしつてきかち)とは、オプション取引におけるプレミアムを構成する要素の一つ。コールオプションまたはプットオプションの「権利行使価格」と「原資産価格」との差額のことを指す。これがプラスであれば本質的価値を持つと判断される。

たとえば、権利行使価格が900円のプットオプションがあり、現在の原資産価格が1000円の場合、この
オプションは100円の本質的価値を持つというようように表現される。
このようにインザマネーの状態のオプションはすべて本質的価値を持つことになる。一方、アットザマネー、アウトオブザマネーの状態のオプションは本質的価値を持たず、プレミアムは時間価値のみで構成されていることになる。

時間価値(オプション取引)

時間価値(Time Value:じかんかち)とは、オプション取引におけるプレミアム(オプション料)を構成する要素の一つ。そのオプションの期限までにより有利な価格に価格が変動することの期待値といえる。アットザマネー、アウトオブザマネーの状態のオプションはこの時間価値しか保持しないことになる。

期限(満期)までの期間が長いほど、またボラティリティが大きいほどこの時間的価値は大きくなる。時間価値は期間が短くなっていくに従って徐々に小さくなり、最終的にはゼロとなる(タイムディケイ)

アットザマネー

アットザマネーとは、オプション取引において権利行使をした場合の利益がゼロとなる状態のこと。たとえば、ある株式Aを100円の権利行使価格で買えるコールオプションを買っていた場合、この株式Aの現在価格が100円の場合をアットザマネーと呼ぶ。

ちなみに、この株価が99円以下となると、アウトオブザマネー、101円以上となるとインザマネーと呼ぶ。

ドローダウン

ドローダウン(Drawdown)とは、システムトレードなどで用いられる言葉で下落幅という意味。システムトレードの戦略を考える場合最大ドローダウンが重要となる。その戦略を採用した場合に過去、最大でどれほど投資額の落ち込みがあったのかという点がリスク管理で重視される。

たとえば、最大ドローダウンが30%というシステムトレードは、投資額が最大で30%(3割)目減りすることがあるというストラテジーということになる。
こうしたドローダウンは過去の為替レートや株価チャートなどを参考にして採用するストラテジーのリスク、収益を分析する際に活用される。

当然、ドローダウンが少なく、かつ収益率が高いストラテジーが優秀なストラテジーであり、単なる収益率だけで見ると大きなリスクを負うことになる。

バックテスト

バックテスト(Back Test)とは、システムトレードなどを利用する場合にプログラムなどを利用して当該ストラテジーを過去の為替レートや株価などに当てはめた場合にどのような動きをするのかをチェックするテストのこと。

たとえば、短期的には良い成果を出しているシステムトレードの戦略(ストラテジー)があったする。ただ、これをもっと長い期間でバックテストをすると実際には大赤字を出していたというようなこともありうる。
システムトレードで戦略を採用する場合には色々なバックテストを行い、最大ドローダウンなども含めてリスクを考える必要がある。

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