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2013年1月 アーカイブ

2013年1月11日

ハードランディング(景気用語)

ハードランディング(Hard Landing)とは本来は航空機が急降下して地面にたたきつけられることを指す。ただし、景気用語として用いられる場合は、好景気の最終段階の好景気が調整局面へと入る際に景気の悪化が急激に起こることを指す。対義語はソフトランディング。

過熱した景気が実体経済に対して深刻な悪影響をもたらしながら、調整局面へと入ることを指す。なお、バブル崩壊のように急激すぎる失速で好景気からいきなり不景気に突入してしまうようなケースを「クラッシュ」と表現することがある。

ソフトランディング(景気用語)

ソフトランディング(Soft Landing)とは、本来は航空機が速度を調整しながら着陸することを指す。景気用語としては、景気の拡大局面から調整局面に入る際に、実体経済への悪影響を最小限にとどめることを指す。対義語はハードランディング、クラッシュ。

高成長を続ける経済が過熱し調整局面へと入る際に、不況・不景気へと進まぬように徐々に成長速度を低下させて景気を調整させることをいう。景気の調整としてはこのソフトランディングが望ましい形となる。

2013年1月12日

適時開示

適時開示(てきじかいじ)とは、有価証券(株式等)への投資に対して大きな影響を与える業績・企業運営・業務等に関する情報を適時・適切に投資家に対して開示することを意味する。証券取引所は公正な株価形成や投資家保護を目的として上場会社に対して重要な会社情報の開示を義務付けている。

会社法や金融商品取引法では、決算公告、登記、有価証券報告書、四半期報告書といった書類の提出を企業や上場企業に対して求めているが、これらの法廷開示だけでは投資家に対して十分な情報ではないという観点から求められている。

なお、法律による定めではなく証券取引所が定めるルールであるため、未上場企業には関係がない。

この適時開示情報は東京証券取引所の場合「TDnet」を通じて伝達される。なお、適時開示は金融商品取引法におけるインサイダー取引規制における「公表」となるため、TDnetを通じて適時開示が行われた情報はインサイダー情報ではなくなる。

2013年1月13日

資本政策

資本政策(しほんせいさく)とは、企業が資金調達や株主に対する利益配当、適正な株主構成の構築などが挙げられる。資金調達のために増資を行ったり、株主利益のために増配や自社株買い、株主構成を安定的なものとするための安定株主作りなどが挙げられる。

2013年1月18日

確定拠出年金

確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん)とは、年金の一種。掛け金の額が確定(確定拠出)している年金という意味。掛け金は決まっているが、実際に年金として支払われる額は確定しておらず、運用成果に応じて受け取ることができる年金額が変化するタイプの年金である。日本版401kとも呼ばれる。

個人で加入する個人型確定拠出年金のほか、企業年金として利用される企業型確定拠出年金がある。従来企業年金としては「確定給付年金(給付額を約束する年金)」が多かったが、運用環境の悪化などに伴い、確定拠出年金に切り替える企業年金も増えている。

運用成果がそのまま受給者に影響を与えることになるため、受給者は現役時代から運用方法等を自分で考えていく必要がある。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(愛称:iDeCo)については、掛け金が全額所得控除になるということもあり、節税や老後の資産運用手段として人気が高い。2017年1月以降は、従来の加入者条件が撤廃され、事実上誰でも加入できるようになった。

企業年金

企業年金(きぎょうねんきん)とは企業が、自社で働く労働者のために提供する年金制度。厚生年金などの公的年金に加えて利用する年金制度。義務化されているわけではなく、企業が自発的に労働者のために行う年金制度である。

1966年に実施された厚生年金基金制度ができたことをきっかけに普及。従来までは確定給付年金が基本だったが、近年では確定拠出年金型の企業年金制度が主流となりつつある。

2013年1月21日

貸倒れリスク

貸倒れリスク(かしだおれりすく)とは、債務者の返済能力が低下することにより、債権が回収できない(不良債権化する)リスクのことを指す。信用リスクとも呼ばれる。一般に貸倒れリスクが高い債務ほどより高金利の利息が必要となる。

住宅ローンの場合、お金の貸し手である銀行(金融機関)にとって、借り手がローンの返済ができなくなるリスクのことを指す。このほかにも商取引における売掛金、社債投資におけるデフォルト(債務不履行)も貸倒リスクである。

貸倒れリスクと金利の関係については、担保を差し入れる住宅ローンと無担保ローンであるキャッシングとの金利差を考えるとわかりやすい。

住宅ローンの場合、万が一貸倒れ(債務不履行)が生じた場合でも担保である不動産を売却することが可能になるが、無担保ローン(キャッシング)の場合はそれができないため、回収可能な額も回収可能性も低くなる。そのため、有担保ローンの金利は低く、逆に無担保ローンの金利は高くなる。

このほか、相手の信用度の高さも同じ理由で金利に影響を与えることになる。貸倒れリスクの低い優良企業は低金利で資金調達が可能であるが信用格付けが低い企業は資金調達を行うためには高金利を支払う必要が出てくる。

2013年1月27日

黒字倒産

黒字倒産(くろじとうさん)とは、会計上の利益は黒字であるにもかかわらず、不渡り等、支払いができずに倒産することをさす。仕入先や銀行などに対して現金不足による資金ショートが発生することによって黒字倒産は引き起こされる。

会社の会計書類(財務諸表)の一つである「損益計算書」では黒字であるにもかかわらず、資金繰りがうまくいかずに資金ショートが発生することで黒字倒産となる。
こういった問題を認識するためにはキャッシュフロー計算書が重要な会計書類となる。

一般的には、売上の発生時期と実際の現金収入の時期に大きな差がある場合リスク要因となりうる。

また、黒字倒産は銀行による貸し渋りによって引き起こされるケースもある。
特に、利益水準に対して借入金が大きいような業種は、銀行側が融資を渋ればあっという間に資金繰りに困窮することとなる。
リーマンショック後、銀行が不動産に対して非常に保守的な行動をとったことから、融資の締め付けが行われ不動産系投資会社が相次いで黒字倒産となり、J-REIT銘柄も破綻したというのは記憶に新しい。

2013年1月30日

標準利率(生命保険)

標準利率(ひょうじゅんりりつ)とは、保険会社が将来の保険金支払いのために積み立てている「責任準備金」の計算利率として義務付けている金利のこと。10年もの国債の過去3年などを元に決定される。2012年現在では1.5%、しかしながら、2013年4月は1.0%に引き下げが予定されており、これによる保険料上昇が懸念されている。

標準利率が上昇すると、保険会社が準備しなければならない責任準備金の額は小さくなる。逆に標準利率が下落すると保険会社は準備すべき責任準備金の額は大きくなる。
これにより、実際の生命保険の保険料や予定利率も変わってくることになる。

標準利率の引き下げが行われれば、保険会社が集めなくてはならない保険料もその分大きくなる。
そのため、保険料の値上げが行われることになる。逆に、標準利率が引き上げられればその分保険料は値下げされることになる。

(解説)
100万円の資金を10年後にためるために必要なお金はいくらでしょうか?
金利3%の場合:約74万円
金利1%の場合:約90万円
このように、将来必要なお金を準備するために必要な現在の資金は運用利率が高いほど少なくて済み、運用利率が低いほど多く必要になる。標準利率が引き下げられたら、当然今必要になる額がたくさん必要になるので契約者に負担してもらう保険料もアップするわけである。


ちなみに、標準利率の増減による保険料への影響は、支払う保険料の内、どの程度が責任準備金への積立されるかによってことなる。貯蓄性の高い保険ほど影響が大きく、一般的には影響の大きい順に「終身保険」「養老保険」「定期保険」となる。

過去の標準利率
1999年3月末以前:2.75%
2001年3月末まで:2.00%
2013年3月末まで:1.50%
2013年4月1日以降:1.00%(予定)

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