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2014年6月 アーカイブ

2014年6月 4日

マクロ経済スライド

マクロ経済スライド(まくろけいざいすらいど)とは、年金の給付金額を加入者の状況や平均寿命、社会状況の変化などを考慮して変動させる制度のことを指す。少子高齢化や平均寿命の伸びなど、年季制度が前提とする経済情勢が変化したことなどに伴い生じる年金の財源問題に対応するための制度となっている。

マクロ経済スライドは、将来の年金財政の均衡(安定性)を保つため、年金給付金額について調整を行うものである。少なくとも5年に1度年季の財政検証を行い、概ね100年間の財政均衡期間に年金財政の均衡を保てない場合に実施される。

このマクロ経済スライドは、年金財政の均衡が保たれると見込まれた時点で終了することになっている。また、賃金や物価の伸びが一定以上の伸びがなく、適用すると名目上の年金額が減少する場合、
調整額は年金伸び幅までにとどめることになっている。
当然、賃金や物価の伸びがマイナスとなっている場合には調整しない。
ただし、物価スライドについては実施される。

物価スライド

物価スライド(ぶっかすらいど)とは、日本の公的年金の給付額に対して用いられている調整制度のこと。物価の変動に応じて年金の給付額を改定するものである。公的年金の物価スライド制度については前年の消費者物価指数の変動に応じて翌年4月に自動的に年金給付額が改定される制度となっている。

なお、平成17年には財政均衡期間にわたり年金財政の安定性を保てないと見込まれる場合に給付水準を調整する「マクロ経済スライド」が導入されている。このため、物価が上昇した場合でも、実際の給付額の伸びはそれより抑えられることになっている。

ただし、上記のマクロ経済スライドは物価上昇の幅以上には行われない。

2014年6月 6日

悲惨指数

悲惨指数(ひさんしすう)とは、アメリカの経済学者アーサー・オークンが示す経済指標の一つ。ミザリーインデックス、ミザリー指数とも。計算はCPI(消費者物価指数)に完全失業率を加えたものとされる。物価は上昇しているにも関わらず失業者が多いという状況は国民生活に大打撃を与えるとされる。

悲惨指数が10を超えるとその国の経済政策に対する不満が顕著に表れると言われている。
日本国内で考えれば消費者物価指数の伸びがマイナスというデフレ状況が継続化してきた経緯があるため悲惨指数は低い。

しかしながら、2013年の物価はプラスに転じており、2014年も消費税率の上昇など物価の上昇圧力が高い。

レバレッジETF

レバレッジETFとは、ETFの一種で特定の指数に対してレバレッジを効かせた変動をするように設計されたETFの総称。たとえば、日経平均のレバレッジETFの場合、日経平均の変動幅の2倍の値動きをするように設計されている。株価指数という分かりやすい対象に対して、高い変動幅も見込めるため投資家からの人気が高まっている。

2014年現在レバレッジETFの取引量は大きく、証券取引所全体の取引高を見ても個別株に交じって売買高上位に位置することが多い。また、ETF全体でみてもこのレバレッジETFの取引量が全体の6割を占める勢いとなっており、注目を集めている。

IFRS:国際財務報告基準

国際財務報告基準(こくさいざいむほうこくきじゅん)とは、会計基準の一つ。国際会計基準審議会(IASB)によって設定されている。経済や金融がグローバル化した中で、企業の会計基準が国ごとに異なると投資判断等がやりにくいということで世界の統一した会計基準が必要であるという考えのもとで基準がつくられている。

IFRSはアイファース 、イファース、アイエフアールエスなどと色々な呼ばれ方をする。

国際財務報告基準(IFRS)の導入は国際統一基準による企業の業績や財務比較が容易になること。多国籍企業の決算事務などの効率が向上するといった利点があげられる。

2014年6月11日

所得代替率

所得代替率(しょとくだいたいりつ)とは、公的年金の給付水準を示す割合。モデル世帯として夫婦二人の年金月額が現役世代の平均年収(手取り年収)の何%あるのかを示す指標として用いられる。年金受給中のモデル世帯は会社員男性で40年勤務、収入は男性の平均年収を受け取っていたものとし、妻は専業主婦(第3号被保険者)の場合で試算されている。

平成24年に厚生労働省によって行われた公的年金の将来見通しにおいては、今後の予測における8通りの経済前提のうち、標準的と見られるケースでも30年後の所得代替率は50.6%にまで下落するとされている。
ちなみに報告時点の所得代替率は62.7%であり、今後の年金給付は受給者にとって必ずしも楽観的ではないことが理解できる。

2014年6月27日

シェアハウス

シェアハウスとは、一つの住宅を複数人で共有すること。一般的には寝室は占有スペースとするが、リビングやキッチン、風呂、トレイなどは共用スペースとなる形が一般的。近年ではそれぞれのシェアハウスがコンセプトを持って運用されることが多い。例えば女性向け、子育て世帯向け、介護サービス付き、特定の趣味を持つ人が集まりやすいコンセプトなどがある。

国土交通省は2013年9月にこうしたシェアハウスを「寄宿舎」に該当すると通知している。
これまでは、こうしたシェアハウスは中古住宅や寮、賃貸アパートなどを改築する形でつくられることが多かったが、寄宿舎となることで、建築基準法や地方自治体の条例などによって防火性能や廊下の幅などに規制がかかることになる。

これによっていわゆる「脱法ハウス」状態となったシェアハウスも多数登場することとなった。
そのため、2014年3月には一定の規制緩和が示唆される状況となっている。

脱法ハウス

脱法ハウスとは、建築基準法、消防法、各種建築関連の条例などの基準を満たしていないにも関わらず居住目的で利用されている建物や施設のことを指す。一般的には貸事務所や貸倉庫などを区切り住居用として貸し出されることが多い。

シェアハウスなどとして募集されることが多いが、窓が無かったり、防火器具の不備、避難路の問題などがある。主な利用者は経済的困窮者であり、貧困ビジネスとして批判されることも多い。

代替投資

代替投資(だいたいとうし:alternative investments)とは、株式投資や債券投資といった伝統的投資と異なる商品や不動産、デリバティブ等に対する投資のこと。英語表記オルタナティブ投資とも呼ばれることが多い。代替投資は伝統的投資と収益の相関性が異なるため、ポートフォリオに加えることはリスク分散効果を高めると言われている。その一方で高いリスクを持つもの多く、また公開情報が少ないケースもあるので投資は慎重に行う必要がある。

代替投資といえば貴金属、未公開企業、不動産(REITを含む)や派生商品などが代表的。
前述の通り投資リスクもあるものの、REITのように小口化され、かつ証券取引所などでの簡単な投資も可能な代替投資商品は広がっている。

ハイブリッド証券

ハイブリッド証券(はいぶりっどしょうけん)とは、債券と株の両方の性質を持つ有価証券のことを指す。一般的には優先株、劣後債、優先出資証券などに代表される。株と債券のメリットを合わせた有価証券と紹介されることが多い。社債と比べて収益性は高いものの、倒産時の返済額が小さくなるなどのリスクもある。

主に、金融機関(銀行)が発行することが多い。
たとえば劣後債は債券の一種だが、資本金としての性質もあるため自己資本としてカウントできるなどの利点がある。そのため、日本の大手銀行は自己資本規制をクリアするための資本充実手段としてこうしたハイブリッド証券を発行することが多い。

一方投資家サイドから見ると、こうしたハイブリッド証券は法的な弁済順位が普通社債と比較して劣る。そのため、発行企業が倒産やデフォルトを行った場合にはハイブリッド証券は普通社債よりもより高い信用リスクを負うことになる。
そのリスクに見合うためにも普通社債よりも高い利息(クーポン)が上乗せされることになる。

近年ではハイブリッド証券への投資を中心に行う「ハイブリッド証券ファンド(投資信託)」も登場している。


債券と株式の両方の性格を持った証券。優先株、劣後債、永久債、優先出資証券などがある。商品によっては、利息や配当支払いの繰り延べが可能であり、また株式とは異なるために発行に伴う株式の希薄化も避けることができる。さらに債券と異なり、返済の義務がないことも特徴である。このため、株式と債券のメリットを併せ持つ証券として、発行する会社にとっては高い財務の柔軟性を持って資金調達することが可能となる。日本の大手銀行は自己資本規制をクリアするために資本充実が課題となっていたことから、数々のハイブリッド証券を発行している。これらのハイブリッド証券についてはその特性、詳細、算入限度などが金融庁によって明確に定められている。一般事業会社が発行する場合には、格付け会社がその証券の性質が資本と負債のどちらに近いか、を基準に格付けを判断することがある。

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