プロスペクト理論
プロスペクト理論というのは行動経済学における理論の一つ。不確実性下における意思決定モデルとも呼ばれる。人は基準値よりプラスではリスクを回避したくなり、逆に基準値よりもマイナスの状況ではリスクを選好しようとするというもの。
たとえば、株式投資であれば取得価格(基準値)よりも株価が高い状況であれば、なるべく早く利益確定をしたいと考えるようになり、株価が取得価格よりも低い状態であればリスクをとろうという動きをするというもの。
<<第1のパターン>>
200円の取得価格で購入した株がすでに300円になっている。このままだと80%の確率で360円になるが、20%の確率で200円に戻ってしまうというケース。
(期待値は238円)
<<第2のパターン>>
200円の取得価格で購入した株が100円にまで下落している。このまま投資を継続すれば30%の確率で200円に戻すが70%の確率でゼロになってしまうというケース。
(期待値は60円)
上記の場合、第1のパターンでは投資中止を、第2のパターンでは投資継続を選ぶ投資家が多い。経済合理的に考えれば期待値に出る通り第1パターンでは継続、第2パターンでは終了を選ぶべきである。
こうした非合理な行動を「損失回避性」と呼ぶ。