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2014年9月 アーカイブ

2014年9月 1日

レモン市場

レモン市場とは、「情報の非対称性」が著しい市場(マーケット)のことを指す。取引相手間において、商品やサービスについての情報量にさが生じており、買い手が品質について正しい情報を知ることが出来ないため、結果として不良品が出回る市場を指す。代表的な市場としては中古自動車マーケットが指されることが多い。

たとえば、例の中古自動車であれば、売り手はその中古車の程度(痛みなど)を知ることが出来るが、買い手は理解できない。このような状況であれば売り手は買い手との情報の非対称性を利用して、粗悪品を良質な中古車として販売するリスクがある。それを買い手が理解していると言うのであれば、市場には粗悪品しか出回らないということになる。

たとえば、良質中古車:100万円、粗悪中古車:50万円だとする。
この場合、買い手は販売される自動車が良質か粗悪(レモン)かがわからないため、購入しても良いと考える価格はその中間(仮に良質とレモンの割合が半々とした場合)の75万円となる。
売り手は、良質車は100万円だが、買い手予算は75万円なので販売できない。結果として、50万円の粗悪中古車(レモン)しか市場に並ばず、購入できなくなる。このような状況のことを経済学用語で「逆選択」とも呼ぶ。

ちなみに、中古車市場にかかわらず、情報の非対称性が存在する市場はたくさんある。たとえば、日本国内における不動産市場などもレモン市場と言われている。

2014年9月19日

スマートベータ

スマートベータとは、TOPIXのような時価総額加重の株価指数とは異なる別の視点から作られた指数のことを指し、特定の特徴を持つ銘柄群を対象にして時価総額以外の基準でウエイトを付けて構成する指数である。

財務指標やボラティリティ(株価変動率)など何らかの運用ルールに基づいて作った指数であり、人の手が加わっていはいるもののROEに注目した新型株価指数「JPX400」はスマートベータの一つである。

伝統的なTOPIXのようなインデックスと比較してスマートベータの方がリスクに対する平均リターンが高いと言えるわけではないが、近年のパフォーマンスを見ると伝統的インデックスよりも好成績を上げているスマートベータも多い。
ちなみに、2014年8月16日の日経新聞によるとスマートベータとして「企業規模型」「低リスク型」「クオリティ型」「高配当型」「等金額型+高配当型」という5つの区分を行っている。

投資信託の中にもこうしたスマートベータをとりいれたスマートベータ投信が登場している。

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