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2010年6月 アーカイブ

2010年6月 3日

マーケットメイカー

マーケットメイカー(Market Maker)とは、マーケットメイク方式による売買市場において気配値を提示する金融業者のこと。市場で常に売り気配と買い気配の値段を提示して投資家からの注文に応じる証券会社のこと。

一般にはマーケットメイク市場において複数のマーケットメイカーが参加して気配値を提示して、投資家はそれぞれのマーケットメイカーが提示している気配値から、自動的に最も有利な価格で気配を提示している証券会社から対象の商品を購入することができる。

例えば、マーケットメイカーとして3社の証券会社がおり、それぞれが特定の銘柄Xについて以下のような気配値を提示しているとする。

A証券 買い気配:290円 売り気配:310円
B証券 買い気配:285円 売り気配:305円
C証券 買い気配:300円 売り気配:320円

この場合、投資家は銘柄Xを買う場合は最も有利な価格で提示されている305円(B証券)で買うことができ、銘柄Xを売る場合には最も有利な価格でえ買い取ってくれる300円(C証券)で売ることができる。

2010年6月 7日

大数の法則

大数の法則(たいすうのほうそく)とは、確率論や統計学における定理の一つ。経験的確率と理論的確率が一致するといったもの。例えばサイコロはどの目が出る確率は1/6だが、試行回数が少ない場合には偏りが出ることが多い。しかしながらその試行回数を相当に増やしていけば、最終的に理論値である確率1/6に近づくというもの。

金融の分野においては生命保険などがこの大数の法則により成立している。また、デリバティブ(金融派生商品)の中にもこうした確率(期待値)に基づいた商品があるが、こうした商品も大数の法則にしたがっている。
生命保険の場合、人に寿命がある限りはいつかは死ぬ。母集団である加入者の数が多くなれば死亡する確率は大数の法則により一定の値に収束することになる。それにより保険料や保険金の金額を計算することができる。

ちなみに、そもそも平均値(期待値)が存在しない場合には大数の法則は成立しない。

システムトレード

システムトレード(System Trade)とは、株式投資などを行う際に、一定の売買ルールにしたがい売買を行う方法のこと。自分自身の直感などの裁量にゆだねない取引で、ファンダメンタル分析、テクニカル分析(チャート分析)などを駆使して、ルールに従って取引することをさす。

シストレと略される場合がある。逆指値や、為替取引(FX取引など)におけるIFD注文、OCO注文、IFO注文などを活用したトレードもシステムトレードと呼ばれることがある。
例えば、日経平均乖離率が○%を越えたら買う(売る)など、PERやPBRなどの株価指標が一定の数字以下になかったら買い(売り)などのように決めておくこと。

システムトレードのメリットは感情を排除できるということ。また、リスク管理のしやすさもある。一方で、過去にないような相場に遭遇した場合や統計上のめったに無いような相場が現れた場合には脆弱性がある。トレードによる落ち込みが単なるドローダウンによるものなのか、相場トレンドの変化などによりシステム(ストラテジー)が通用しなくなったのかの判断をそれぞれの局面で取るのは難しい。

ちなみに、これを完全にコンピュータに自動執行させることばとして「プログラムトレード(プログラム売買)」と呼ばれるものもある。

アンダーライティング

アンダーライティング(Underwriting)とは引受するという意味になる。証券用語といて使われるときは、証券会社が顧客企業の公募増資、売り出しの株式や社債などを引き受けるすることを指す。また、保険用語として使われる場合には、契約の申込があった場合に保険会社がその契約を受け入れることを指す。

ここでは、証券用語として解説する。
証券会社の主要業務には「ブローカー業務(株の売買を仲介する業務)」「自己売買業務(自己の勘定の元で有価証券等を売買する業務)」「アンダーライティング業務(引受・募集・売り出し業務)」がある。

アンダーライティング業務は直接金融を利用して市場から資金を集めようとする企業の為に、株式や債券などを一旦証券会社が引き受けて、それを投資家に対して販売する業務のことを指す。
証券が一旦引き受けることにより、発行企業は確実に資金調達をすることができる(仮に募集に証券会社が失敗した場合は証券会社自身が引き受ける必要になるため)。

酒田五法

酒田五法(さかたごほう)とは、罫線を使ったチャート分析の方法の一つ。大きく、三山(三尊)、三川、三空、三兵、三法という5つの種類に分類された罫線の動きから今後の相場の動きを読み解こうとするテクニカル分析手法の一つ。

・三山(山尊)
三つの山になるように、上値を3回試したが、上値が重くブレイクすることができないという状態。売りのサイン。

・逆三尊
三つの谷になるように、下値を3回試したが、底堅くブレイクすることができないという状態。買いのサイン。

・三川
三本のローソク足から判断する方法。大きく「三川宵の明星」「三川明けの明星」「三川上放れ二羽鳥」の三種類がある。

・三空
三本のローソク足が陽線・陽線・陽線(または陰線・陰線・陰線)と並べて3回続き、それぞれの窓(ギャップ)がある状態。陽線の場合は売り、陰線の場合は買いのサイン。

・三兵
陽線または陰線が三本平行してしる状態。三空と異なりギャップ(窓)は開けない。三空とは逆に、陽線の場合は買い、陰線の場合は売りとなる。

2010年6月 8日

イングランド銀行

イングランド銀行(Bank of England:BOE)はイギリスの中央銀行。日本語表記では英蘭銀行と表記されることもある。本店はロンドン(シティ)。イギリスポンドの発行をウェールズ、イングランドにおいて行っている。

連邦準備制度

連邦準備制度(れんぽうじゅんびせいど:Federal Reserve System)とは、アメリカにおける中央銀行制度のこと。連邦準備制度理事会(FRB)が全国の主要都市にある連邦準備銀行を統括する組織形態が特徴。the Fedと表記されることが多い。

M2+CD

M2+CD(えむつーぷらすしーでぃー)とは、マネーサプライ(通貨供給量)を示すための指標のこと。M2(現金通貨+預金通貨+準通貨)にCD(譲渡性預金)を加えたもの。準通貨は解約すれば現金化できるもので、定期預金が代表的。

マネーサプライは経済全体に対して供給されている通貨の量がどの程度かを見るための指標であり、通貨量残高を示す。毎月日本銀行(日銀)が調査・結果発表している。

2010年6月 9日

NOMURA-BPI

NOMURA-BPI(のむらびーぴーあい)とは、野村證券が公表している国内債券(公募利付債)の市場を動向を示す指数のこと。一定の基準に従って構成された債券ポートフォリオのパフォーマンスをもとに算出されている。国内の債券市場における代表的なベンチーマークである。

国内の債券市場インデックスとしては不動の位置を占めており公的機関における債券運用のベンチマークにも採用されている。

なお、NOMURA-BPIに採用される条件は以下の通りとなっている。

・国内発行の公募固定利付円貨債券(ただし転換社債、ワラント付社債、資産担保証券、社債担保証券、ローン担保証券、ステップ・アップ債を除く)

・残存額面10億円以上、残存期間1年以上

・事業債および円建外債の場合A格相当以上の格付け(スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)社、ムーディーズ社、格付投資情報センター、日本格付研究所の内いずれかから取得)

・新発債の組み入れは、国債が発行月の翌月、金融債は発行月から3ヶ月後、その他一般債は発行月の翌々月から行う。また、銘柄の入れ替えは毎月末に行われ、翌月1ヶ月の間、組み入れ銘柄は固定されている。

ソロモン・ブラザーズ世界国債インデックス

ソロモン・ブラザーズ世界国債インデックスとは、世界の主要国における国債の総合投資利回り市場の時価総額で加重平均して指数化したもの。主に世界債券に投資をする投資信託においては最も多く利用されているベンチマークの一つ。

2003年に名称が「シティグループ世界国債インデックス」へと変更された。

シティグループ世界国債インデックス

シティグループ世界国債インデックス(Citigroup World Government Bond Index)とは、現在世界で最も広く利用されている先進国の債券ベンチマークの一つ。旧ソロモン・ブラザーズ世界国債インデックス。

2010年6月現在以下の先進国における国債の総合投資利回りを市場の時価総額で加重平均して指数化したもの。アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、ギリシャ、ポーランド、ノルウェー、シンガポール、マレーシア。

2010年6月12日

キャリートレード

キャリートレード(Carry trade)とは、通貨間の金利差を通じた資金調達と運用の方法のこと。低金利通貨で資金調達を行い、その資金を使って高金利通貨で資金を運用することで、利ざやを稼ぐ手法のこと。特に円で資金調達を行う場合には円キャリー(円キャリートレード)と呼ばれる。

具体的には、たとえば金利1%で1億円を資金調達して、その資金を高金利通貨の豪ドルで金利5%で運用した場合、1年間に4%(400万円)の利ざやを得ることができる。
特に世界的に低金利な円、スイスフランなどを通じてのキャリートレードが多い。キャリートレードが加速した場合、たとえば円キャリーの場合には、円が売られやすくなることから円安要因の一つになるとされる。

逆に、円キャリートレードが進んだ状態で、金利差(スプレッド)が縮小した場合、まき戻しの動きが起こり、資金調達していた円を返済するための円買いが起こりやすく円高要因となる。

大引け

大引け(おおびけ)とは、証券取引所において一日の最後の取引のことを指す。東京証券取引所の場合午後3時に後場が終了するが、このときに行われる最後の取引のこと。また、大引けで取引された値段のことを「終値」と呼ぶ。

また、前場の終了時の取引を単に「引け」とも呼ぶ。ちなみに、大引け時に売買が成立しないこともある。このときはザラ場引け(大引けがなく、ザラ場中の取引が最終取引となったという意)と呼ばれる。

2010年6月13日

外国銀行

外国銀行とは、金融庁区分では日本国外に本店があり日本国内に支店を持つ銀行のこと。日本以外の銀行と言う意味ではない。ただし、国外資本の銀行であっても在日法人として銀行の本店が国内にある銀行は外国銀行に含まれない。
(シティバンク銀行など)

ちなみに、外国銀行に口座を開設することは当然可能であるが、そこでの預金はペイオフ(預金保険制度)の対象外となる点に注意が必要である。

タックスヘイブン

タックスヘイブン(Tax Haven)とは、課税税率が著しく低いまたは非課税となっている国や地域のことを指す。日本語では「租税回避地」と呼ばれる。一般には、ケイマン諸島をはじめとした国際的な金融取引の中継地となることを目的として、金融取引課税や法人税率が著しく低く設定されている地域を指す。

日本の場合租税特別措置法により法人税率(実効税率)が25%以下の国・地域をタックスヘイブンと定めている。

実効税率

実効税率(じっこうぜいりつ: Effective tax rate)とは、法人税において税率の種類の一つ。法人所得に対しての法人税、法人事業税、法人住民税を包括した上で理論上の税負担率のこと。簡単に説明すると、今年支払った法人3税は、来期の損金に参入することができる。そのため、翌年度の事業税は損金×税率分少なくなることを考慮した税率のこと。

2010年6月14日

ナスダック総合指数

ナスダック総合指数(Nasdaq Composite Index)とは、アメリカの株価指数の一つ。NASDAQにおいて取引されている約5500銘柄の全てを時価総額加重平均法により算出した株価指数。NASDAQに上場している株式にはネット企業やIT企業、ハイテク関連企業などが多いことから、これらの業種の動向指標ともされる。

米国株に投資をする際、投資信託のベンチマークとしても広く活用されている。指数自体は、1971年2月5日の株価を基準値100としている。

MSCI

MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)とは、世界的な株価指数を算出している会社のこと。ただし、MSCIと呼ばれる場合には、世界の株式の株価動向を示す指数のことを意味する場合が多く、MSCIワールドインデックスのことを指す。

MSCIワールドインデックス(MSCI世界株式インデックス)とは、世界の株式を指数化したもので多くの外国株に投資をする投資信託のベンチマークとして利用されることが多い。
これは世界の先進国(23カ国)の上場企業をベースにして時価総額加重平均方式で指数化したもの。

このほかにもMSCI社は国・地域別指数、グロース・バリュー指数、業種・セクター別指数などが用意されている。日本の投資信託がベンチマークとする場合にはMSCIワールドインデックスではなく、指数から日本企業などが除かれた「MSCI-KOKUSAI」を使用することが多い。

2010年6月21日

為替予約

為替予約(かわせよやく)とは、為替レートの変動による差損益が生じるリスク(価格変動リスク・為替リスク)をリスクヘッジするための取引。将来の一定時期においての為替レートを現時点で決めてしまうというもの。ただし、自由にレートを設定できるわけではなく、先物予約レートという為替レートでの予約となる。

為替予約は将来(例えば1ヵ月後)の取引レートを決定する事で、仮に為替レートが円高方面など外貨を持つ事で不利な方向に動いたとしても、予約した為替レートで取引ができるので為替による損失はでない。

為替予約の活用例として、外国へ製品を輸出する企業などが、例えばその代金として10万ドルの米ドルで支払いが行われるとする。
この場合、支払いは1ヵ月後とタイムラグが生じるとすると、その間に為替レートが変動した場合円安に動けば問題は無いが、円高に動いてしまうと損失がでるリスクがある。こうした場合に、現時点で為替予約をしておけば、将来為替レートがいくらに動いても、10万ドルは予約した為替レートで円に戻すことができるので、この業者にとって為替リスクがゼロになる。

HLバンド

HLバンドとは、チャート分析(テクニカル分析)の一つ。過去の一定期間の高値(H)と、安値(L)を更新することで「買い」または「売り」を判断するチャート。相場の均衡が崩れることによる相場の力を利用するチャート分析法といえる。仕組みは非常にシンプル。

計算方法
・Hバンド=過去20日間のザラバを含む最高値
・Lバンド=過去20日間のザラバを含む最安値
・中間線=Hバンド、Lバンドの平均(中央)

Hバンドをブレイクしたら買い、Lバンドをブレイクしたら売り。順張り戦略となる。有名な方法であるため、騙しも少なく無い上、高値を買いにいく、安値を売りにい戦略となるため、大胆さも必要となる。
一般に出来高と組み合わせ、これが伴うほど信頼性が高くなるといわれている。

パラボリック

パラボリック(Parabolic)とは、トレンド系のテクニカル分析(チャート分析)の一種。相場の反転を認識する際にでるSAR(ストップアンドリバース)・AF(加速因子)・EP(極大値)を売買シグナルとするチャート分析。計算方法はやや複雑。

SAR=前日のSAR+AF×(EP-前日のSAR)
AF(加速因子)=0.02以上0.2以下とします(日足・週足・月足共通)
EP(極大値)=極大値/SARが買いサイン中はその期間最高値、逆は最安値

ローソク足がSARを越えた場合「買い」。下回ったばあいには「売り」としてこれが反転するまでポジションを維持する。ちなみに、相場自体が明確なトレンドを持っている場合には強みがあり、逆にボックス相場の場合にはSARの反転が遅れてしまうので、効果は余り期待できない。

ボリュームレシオ

ボリュームレシオ(Volume Ratio)とは、ボリューム(出来高)に注目するチャート分析のこと。出来高がある状態=強い状態として上昇日をプラスの出来高、下落日はマイナスの出来高として評価して、それぞれの買い圧力、売り圧力を分析する方法。

ちなみに、ボリュームレシオの計算方法はいくつかあるが、この方法が最も主流。
(過去n日間の株価上昇日の出来高の合計+過去n日間の株価変わらずの日の出来高の合計×1/2)÷出来高の合計×100

ボリュームレシオの見方としては、上昇日の出来高が飽和することで反落し、下落日の出来高が飽和することで反転すると考える。
上記計算式の場合、80%以上になると買われすぎ(反落サイン)、20%以下が売られすぎ(反転サイン)とされる。ちなみに、活用には出来高があることが条件となる。

サイコロジカルライン

サイコロジカルラインとは、サイコロとも呼ばれるオシレーター系のチャート分析の一種。サイコロジカルとは心理的なという意味があり、株価の上昇が続けば相場は加熱しピークを打ち、逆に下落が続けば相場は逃げムードとなり逆に底を打つという逆張り戦略に基づくチャート。

直近n日間(多くは12日間)の中で終値が前日比プラスとなっている日数を数え、その比率を計算する。プラスの日数をAとする。
=A÷12(×100%)

により計算される。株価上昇を勝ち、下落を負けとした場合、10回チャレンジして勝ち続ける(負け続ける)確率は1/1012となり、確率論でみても1回くらいは反転があるはずという考えになる。
ただし、あくまでもこのサイコロジカルラインは短期的な確率論、相場の過熱に対する分析であり中長期的な相場のトレンドに対する分析法ではない。

ちなみに、類似のチャート分析に「RSI」があるが、これはこのサイコロジカルラインに「上昇の幅」「下落の幅」を取り入れたもの。

2010年6月23日

マイクロファイナンス

マイクロファイナンス(Micro Finance)とは、マイクロ(小口)な金融取引のこと。一般には貧困者向けのマイクロクレジット(融資)、マイクロインシュランス(保険)などがある。ノーベル平和賞受賞のムハマドユヌス氏が設立したグラミン銀行などがこのマイクロファイナンスで有名。

グラミン銀行では、貧困者に対して貸付を行うだけではなく、銀行員が集会などを開き、お金の使い方や返済計画などについてのアドバイスを行う。借りたお金を使っての再建型ビジネスともいえる。グラミン銀行の場合、貧困者向け融資にもかかわらず返済率は98%にも上るという。

2010年6月25日

騰落レシオ

騰落レシオとは、証券市場ににおける値上がり銘柄の数と値下がり銘柄の数を比率から、市場の過熱感を測るための指標のこと。一般には5日または25日の期間で「値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数」で計算される5日のものを5日騰落レシオ、25日のものを25日騰落レシオと呼ぶ。

それぞれ短期、中期の過熱感を指しており、60%以下ならば売られすぎで買い、150%以上なら買われすぎで売りという判断になる。

逆指値

逆指値(ぎゃくさしね)とは、株価が注文時から「一定の価格まで下落したら売り」または「一定の価格にまで上昇したら買い」という注文方法のこと。通常の指値注文とは逆の携帯であることから「逆指値」と呼ばれる。主に損切り(ロスカット)やトレンドフォロー投資の為に使われる注文方法。

ロスカットに逆指値を活用するパターン
例えば、現在@400円で取引されてる株があるとする。まだまだ上昇すると思っているが、10%以上損失が出た場合にはロスカットをしたいと思っている場合に、10%下の価格である360円に逆指値売りの注文を入れておけば、仮に株価が360円になったら売り注文が執行され、損失の拡大を予防することができる。

トレンドフォロー投資で逆指値を活用するパターン
例えば、現在@400円で取引されている株があるとする。株価が410円のところにこれまでブレイクできなかった厚い壁があるので、その水準を突破したらこの株を買おうと思っているとする。この時411円に逆指値の買いを入れておけば、将来株価が411円をつけた時点で買い注文が入ることになる。

いずれの方法にしても、相場に張り付いていれば対応できる注文だが、ずっと相場に張り付いていなくてもロスカットやトレンドに乗る投資が可能な注文方法として、現在ではほとんどの証券会社で標準注文として用意されている。

ちなみに、最初に逆指値を提供したのは「カブドットコム証券」である(特許を取得している。2006年)。

2010年6月28日

ハイパワードマネー

ハイパワードマネーとは、現金と民間の金融機関が保有している中央銀行への預金(日銀当座預金残高)の合計。マネタリーベース、ベースマネーとも呼ばれる。金融政策として中央銀行はハイパワードマネーをコントロールすることでマネーサプライを調整することできる。

このハイパワードマネーと実際のマネーサプライの違いを比較することで、金融機関を通じた信用創造によって中央銀行が供給している通貨がどれだけの貨幣を生み出しているのかをみることができる。

日銀当座預金残高

日銀当座預金残高(にちぎんとうざよきんざんだか)とは、民間金融機関が日本銀行(中央銀行)に対して準備預金制度に基づいて預金総額の中から一定割合を預ける預金の残高のこと。ちなみに、日銀当座預金に対する金利はゼロとなっている。

2010年6月30日

アンダーパー(債券用語)

アンダーパーとは、取引されている債券価格が額面(通常100円)を下回っている状態のこと。債券は満期時には額面で償還されるのでアンダーパーで購入した場合には満期時のその差額分が利益になる。対義語はオーバーパー。

アンダーパーへと債券価格が変動する理由は以下の通り。
1.クーポンが現在の標準的な利回りよりも小さい。
2.債券価格が下落することにより利回りを新発債と同じようになるようにして価格が変動する。
3.既発債と新発債の利回りが平準化する(残存期間が同じ場合)

オーバーパー(債券用語)

オーバーパーとは、債券の取引されている債券価格が額面(通常100円)を上回っている状態のこと。市場金利が下がった場合などに起こりやすい。市場金利が下がることで相対的に過去に発行されている債券の利回りが上昇することでその分価格が高くなる。

ちなみに、オーバーパーの債券を満期まで持つと額面である100円より高い部分は償還差損(キャピタルロス)となる。そのため、たとえ金利が高い債券であったとしても満期近くになってくると市場での債券価格は額面に収束していくことになる。

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