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2012年9月 アーカイブ

2012年9月 3日

内需株

内需株(ないじゅかぶ)とは、輸出ではなく国内の需要によって売上を上げている企業(株)のことを指す。国内需要によって業績が大きく左右される銘柄。内需関連株とも呼ばれることがある。日本国内でサービスを提供することが収益の柱となっている会社。

あくまでも、「国内需要」に対する影響を受ける会社という意味であり、対義語は「輸出株(輸出関連株)」または「外需株」となる。
電力、建設株、不動産、金融、通信、小売、外食などが挙げられる。

中国関連株

中国関連株(ちゅうごくかんれんかぶ)とは、中国において積極的な事業展開を行っているなど中国と密接なつながりがあることから、中国の景気やその動向に強い影響を受ける企業のことを指す。明確な定義があるわけではないが、株価指数(ベンチマーク)の一種に「日経中国関連株50」がある。

2012年9月 4日

年金終価係数

年金終価係数(ねんきんしゅうかけいすう)とは、一定期間一定りいつで毎年一定の金額を複利運用で積立運用した場合、将来いくらの金額になるのかを示す係数のこと。ファイナンシャルプランニングで多用される計算手法で、年金や貯蓄性のある保険の運用成果などを計測するために利用する。

将来の運用金額=毎年の積立金額×「年金終価係数」
というように求めることができる。

年金終価係数の具体的な計算方法
={(1+r)n-1}÷r

r・・・運用利回り
n・・・運用年数

たとえば、10年間、年利5%で運用した場合の年金終価係数は
(1.0510-1)÷0.05=12.5778
となる。

仮に毎年10万円を、積立運用したと仮定した場合の将来(10年後)の運用金額は
10万円×12.5778(年金終価係数)=125.778万円となる。

このように年金終価係数を用いることで、積立投資による将来の運用成果がより計算しやすくなる。

年金現価係数

年金現価係数(ねんきんげんかけいすう)とは、元本を一定の利率で複利運用しながら、一定の金額を毎年取り崩すとした場合、現在いくらの元本が必要になるのかという係数のこと。一定の利率で複利運用する場合で、希望する年金額を受け取るために必要となる年金原資の金額を求める際に利用する。
複利年金現価率とも呼ばれる。

希望年金額のために必要となる原資
=希望年金額×年金現価係数
により求めることができる。

なお、年金現価係数の計算方法は下記の通りとなる。

年金現価係数=[{(1+r)n-1}]÷{r(1+r)n}
n・・・運用年数(年金受給期間)
r・・・運用利率
となる(毎年年末に受け取ると仮定した場合)


たとえば10年間の年金受給をするとして、利回りが5%とする場合の年金現価係数は下記のように計算することができる

=((1.0510-1))÷{0.05(1.05)10}
=0.62889÷0.08144=7.7221(年金現価係数)

よって、希望年金額を受給するために必要となる原資は、毎年100万円の年金受給の場合で
=100万円×7.7221=772.21万円が必要と計算することができる。

2012年9月 7日

陰線

陰線(いんせん)とは、株価等の価格変動をしめす「ローソク足」における形の一つ。始値よりも終値が低い状態を指す。なお、陰線の実体部分が大きいものを「大陰線」と呼ぶ。対義語は陽線。

陽線

陽線(ようせん)とは、株価等の価格変動を示すローソク足の形状の一つ。始値よりも終値が高い場合を指す。陽線の実体部分が大きいものを「大陽線」と呼ぶ。対義語は陰線。

ローソク足

ローソク足(Candle Chart)とは、株価等の価格を示すチャートの一種。一本で期間中の「始値」「終値」「高値」「安値」を知ることができる。期間は任意であり、1分、5分、1時間、1日、1週間、1カ月のように様々な期間で示すことができる。1日のローソク足のことを「日足」と呼ぶ。

ローソク足は、実体部分とヒゲと呼ばれるもので表示される。

実体部分(始値と終値を示す)
ヒゲ部分(高値と安値を示す)

その期間の株価が上昇した場合を「陽線」と言い、通常は白または赤色で表示される。この場合、実体部分の下が始値で上が終値となる。
対して、株価が下落した場合を「陰線」といい、通常は黒または緑・黄などで表示される。この場合、実体部分の上が始値で下が終値となる。

2012年9月18日

初値

初値(はつね)とは、証券取引所に新規上場(IPO)した企業の最初についた値段のことをさす。IPO銘柄は上場前に公募が行われ売り出される。そのときの価格を「公募価格」と呼ぶ。人気のあるIPO銘柄の場合、公募価格よりも高い値段の初値がつきやすい。

IPO銘柄は時期にもよるが、公募価格よりも初値が高くなることが多い。そのため、多くの投資家がIPO銘柄の取得を希望し競争率が激しい。
ただし、確実に公募価格より初値が高いというわけではなく、場合によっては公募価格以下の初値しかつかないような銘柄もある。

ブックビルディング

ブックビルディング(BookBuilding)とは、企業が証券取引所に公開(IPO)する際に、1株あたりの新株の発行価格を決定する方法の一つ。ブックビルディング方式とも呼ばれる。仮条件と呼ばれる価格を投資家に提示した上で、この値段でどれだけ買いたいかという投資家の需要を調べて、その結果で仮条件の範囲で価格(公募価格)を決める方式。

この公募価格によって新株が購入を希望する投資家に割り当てがおこなわれる。一般的に、こうしたIPO銘柄は人気が高く、多くの場合抽選などで購入する形になっている。そのため、希望する投資家全員が帰るわけではない。

なお、この公募価格を元に証券取引所で取引が開始されるが、実際の取引価格は板寄せによって決められるため、公募価格よりもはるかに高い金額が初値となるケースもある(その逆に公募価格以下で寄り付く場合もある)

2012年9月23日

ショートストラングル

ショートストラングルとは、オプション取引における投資戦略の一つ。オプション戦略でも基本的な戦略の一つとなる。アウトオブザマネーの状態にあるコールオプションとプットオプションの両方を売る戦略となる。日経平均先物オプションの場合で解説を行う。

日経平均株価が9000円の時に、アウトオブザマネーの状態となっているコールとプットの両方を売る戦略がショートストンラングルとなる。
仮に8750円のコールと、9250円のプットの両方を売るというケースがこのショートストンラングル戦略にあたる。

この場合、SQ価格が8750円~9250円の範囲内となった場合、コールとプット両方のオプション料を受け取ることができる戦略となる。
一方で、ショートストラングルは、コールとプットのオプション売りとなるため、日経平均価格が極端に動いた場合は大きな損失をこうむることになる。

上記の場合8750円以下、9250以上に日経平均が動いた場合、損失は急拡大する。そのため、一定の範囲内で日経平均価格が動いている場合は良いが、想定以上の値動きがあった場合は大きな損失が発生するリスクのある投資法であるといえる。

リスクを軽減するためには、アウトオブザマネーとなっているコール、プットの金額大きくすることで可能となる。たとえば8750円のコールではなく、8500円のコールに。また、9250円のプットではなく9500円のプットにするなどが挙げられる。

しかしながら、このように幅を広げると受け取ることができるオプション料も小さくなるため収益性が低下することになる。

相場が動かないことを前提とするオプション戦略の基本である。

レシオスプレッド

レシオスプレッドとは、オプション戦略の一種。コールオプション(またはプットオプション)のアウトオブザマネーの状態のものを1枚買うのに対して、同じ限月のアウトオブザマネーのコール(or プット)を2枚以上売るという戦略。ポイントはオプション売りによるプレミアムの受け取りが、オプションの買いによるプレミアム支払いを上回るようにすること。

プットのレシオスプレッドのケースで想定する。
仮に日経平均先物価格が9000円とする。この場合で8750円のプットを1枚購入@40円し8500円のプットを3枚売ったとする@19円。
このポジションは40円のプレミアム支払いに対して、受け取りプレミアムは57円となる。これにより、仮にアウトオブザマネーの状態でSQを迎えた場合は17円の利益となる。

レシオスプレッドの特徴は、株価が上昇した場合でも利益が確保でき、株価が下落した場合でも一定の範囲まで(この場合8500円の下落まで)なら利益が増大するという点が挙げられる。

株価が上昇した場合、プットオプションの買いは無価値になるが、プットオプションを売っている分はプレミアム(オプション料)の受け取りとなり利益になる。

一方、株価が下落した場合、プットオプションを売っている金額の範囲までであれば利益が増大する。たとえば、株価が8600円でSQを迎えた場合を考える。
この場合、8750円のプットが1枚あるので、8750-8600=150円となり、ここからオプション料である40円を控除した110円が利益となる。また、8500円のプット売りはアウトオブザマネーの状態なのでプレミアム19円×3枚=57円はそのまま受け取りとなり、利益は合計で110+57=167円となる。

このとおり、レシオスプレッドは株価が上昇しても、下落しても利益が得られるような仕組みとなっている。一方のリスクは、想定外の下げが挙げられる。

上記の戦略でも日経平均株価が8500円より下回った場合は損失が発生することになる。
プット買い1枚があるため、その分のリスクはカバーされているもののプットを3枚売っている為、この場合は2枚分の損失が無制限に発生してしまうことになる。

ベガ

ベガとは、オプション取引における市場感応度の一つ。他に「ガンマ」「ベータ」「セータ」などがある。インプライドボラティリティの変動に対するオプション価格の反応の大きさを示す指標となる。日経225先物の場合、ボラティリティが変化することでオプションのプレミアム(オプション料)がどれだけ変動するのかを示す指標となる。

たとえばベガの値が10という場合、日経225先物のボラティリティが1%上昇した場合、オプションのプレミアムが10円上昇することを意味する。ベガはコールオプション、プットオプションの両方で正の値を示す。

なお、ベガはアットザマネー周辺のオプションで大きな値となる。また、満期までの期間が長いオプションの方がベガの値は大きくなる傾向がある。
言い換えると、ボラティリティの増減は、より日数が長いオプションほど影響を受けやすいということになる。

セータ

セータとは、オプション取引における市場感応度を示す指標の一つ。タイムディケイ(時間経過)によって失われるオプションの価値の大きさを予想する指標。なお、原資産価格変動、インプライドボラティリティの変動は考慮しない。

オプションの市場感応度を示す指標としては他に「ガンマ」「ベータ」「ベガ」などがある。オプションのプレミアムは決済期限が近づくにつれて減少する。これをタイムディケイと呼ぶ。増加することはない。
そのため、セータの値は常に「負の値」を示すことになる。

セータはこのタイムディケイの大きさを示すもので、日経225先物オプションにおいてとある価格のコールオプションのセータの値が-6という場合、株価がまったく動かない場合、オプションのプレミアムが6円下がるということを意味している。

2012年9月24日

安値覚え

安値覚え(やすねおぼえ)とは、相場用語の一種。過去の安値水準に固執することで、高すぎると考えてしまったり、売られ過ぎと考えてしまうこと。相場が上昇トレンドに入っているにも関わらず高すぎと考えて買い向かわないことなどが挙げられる。

対義語は「高値覚え」。安値覚えを回避するためには「相場に水準というものはない」ということを理解する必要がある。また、常にポジションを持つのではなく、ノーポジションの状態となり、相場全体を中立な目線で見ることも重要である。

高値覚え

高値覚え(たかねおぼえ)とは、相場用語。過去の高値にこだわることで、現在の相場水準が「不当に安い」と考えてしまうこと。現在の下落は売られ過ぎの状態であり、いずれ戻ることを期待してナンピン買いを連続するようなことを指す。

対義語は安値覚え。相場に絶対の水準はないということを理解した上で、時々はポジションをノーポジションにすることで相場を中立的・客観的に見ることも重要である。

押し目

押し目(おしめ)とは、相場用語の一つ。押すというのは株価等の価格が下がることを意味しており、株価が下がったところを「押し目」という。押し目というのは、基本的にその後株価等が反発するであろうことを予想した上での下げを意味する。

そのため、その後もずるずると下がるようなケースを「押し目」とは言わない。押し目と思って買ったら、それが高値覚えの下落トレンド入りだった。なんてこともありうる。
また、「押し目待ちに押し目なし」という格言もある。相場が上昇トレンドにあるような場合は押し目を待っていると株価が上昇してしまい買いチャンスを逃すという考え方もある。

2012年9月25日

高値引け

高値引け(たかねびけ)とは、当日の終値が当日の高値である状態を指す。引けピンとも呼ばれる。一般的に高値引けとなるような場合、相場の買い圧力が強いことを示しており、翌日以降の相場についても買い先行で始まることが多い。

対義語は安値引け。

安値引け

安値引け(やすねびけ)とは、取引日の終値が当日の安値で終わること。一般的に売り圧力が強い問うことを意味しており、安値引けで終えた場合、翌日以後の相場も軟調な展開となることが多い。対義語は高値引け。

堅調

堅調(けんちょう)とは、相場用語で使われる場合、相場が強いことを意味する。堅実な調子であること。相場が徐々に切り上げているような状態のことを指す。対義語は「軟調」。

用例としては、「○○の経済指標が良かったことなどから、相場は堅調に推移し、大引けにかけて買いが進んだ。」といったように用いられる。

軟調

軟調(なんちょう)とは、相場の展開が弱いことを指す。相場が下落の傾向にあることを意味しており、「軟調な展開」などを表現される。対義語は「堅調」。

用例としては、「朝方発表された○○の4-6月期決算が市場予想を下回ったことから売られ、終始軟調な展開となりました。」といったように用いる。

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