裸売り(はだかうり:Naked Short)とは、ヘッジを行っていないオプション取引の売りや、株式を借りずに行う空売りのことを指す。
空売りの場合
通常、信用取引で株を空売り(ショート)する場合、証券金融会社から貸株を受けて株を売却している。つまり、受け渡しに買い手に対して渡す株式を確保した上で取引をする。
一方で、裸売りという場合は、先に市場で売却しておいて、受け渡し日までの間に当該株式を確保するという手段である。そのため、やり方によっては発行済み株式総数を超える空売りでも可能となる。
ちなみに、以前ジェイコム株を巡り、みずほ証券が発行済み株式総数を超えるジェイコム株を空売りしたのはこの裸売り(Naked Short)によるものである。
個人投資家はこの株式の裸売りはできない。
オプション取引の場合
オプション取引用語として裸売りという場合、ヘッジ取引を行わずにオプション取引の売りを行うことを指す。たとえば、プットオプションを売るという場合、株価が一定以下にならない限りはオプション料(プレミアム)をオプションの買い手から受け取ることができる一方、万が一株価が大きく下落した場合には下落幅に応じて無制限の損失が発生する。
ヘッジとしては、売ったプットオプションよりも低い権利行使価格のプットを買っておくなどの保険をかけておくことなどが考えられる。
なお、特にディープアプトオブザマネーのオプション売りは、(プットの場合)株価の下落で必要な証拠金の額がとてつもなく拡大していく。この意味があまり理解できない場合、オプションの裸売りは行うべきではない。