為替プレミアム
為替プレミアム(かわせぷれみあむ)・為替ヘッジプレミアムとは、為替予約をする際に低金利通貨と高金利通貨との間で生じる差額のうち、一般的には低金利通貨を売って、高金利通貨を買ったときに得られる収益のことを指す。なお、高金利通貨を売って、低金利通貨を買うと逆に支払いが必要にる。この場合は為替ヘッジコストと呼ばれることが多い。
通貨選択型投資信託などで二階建ての収益として登場
最近募集や設定が増加している「通貨選択型投資信託」などではこうした為替プレミアムが収益の二階建て部分として登場している。
たとえば、米ドル建ての債券に投資をする投資信託があるとする。
このファンドは米ドル建てなので、対ドルでの為替リスクがある。また、債券自身のリスク(デフォルトリスク)もある。
このファンドで円との間で為替リスクを減らすとすると、高金利通貨であるドルを売って低金利通貨である円を買うという為替予約を行うとヘッジコストがかかり、収益が下振れする。
一方でこのファンドで米ドルと金利の高いブラジルレアルとの間で為替予約を行う。この場合、相対的に高金利通貨であるブラジルレアルを売り、低金利通貨である米ドルを売るという為替予約にはプレミアムが生じ、収益は上振れする。
その一方で、米ドル建ての債券という本来はブラジルレアルの為替相場には影響を与えない金融商品に為替予約によるプレミアムを上乗せする代わりに、ブラジルレアルの為替リスクも負うことになる(米ドル高ブラジルレアル安になると損がでる)。
極端な話、ジャンク債に投資をするファンドに高金利通貨の為替プレミアムをのせれば相当高いリターンが見込めるものの、その一方で予想以上の損失が生じる可能性もあるということになる。