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2013年5月 アーカイブ

2013年5月 8日

内部留保

内部留保(ないぶりゅうほ)とは、企業が毎年の業務によって得た利益のうち、配当等に回さず、企業内部に保留して蓄積している部分のこと。狭義には利益剰余金を指す。貸借対照表(バランスシート)では資本の部に表示される。

内部留保というとキャッシュ(現金)というイメージが強いが、損益計算書上の利益の積み上げである。そのため、実際には建物であったり、土地であったり、商品(在庫)であったり、売掛金である場合もある。
そのため、内部留保が潤沢だからといって、キャッシュリッチであるとは必ずしも限らないという点に注意は必要である。

2013年5月 9日

従業員持株制度

従業員持株制度(じゅうぎょういんもちかぶせいど)とは、企業が自社で働く従業員を対象に自社株を保有してもらうことを目的とする制度。企業が従業員持ち株会という組織を設立して運用し、会員である従業員は毎月一定額を拠出して株式を共同購入する形となる。社員持株制度ともよばれることがある。

拠出金に関しては、企業によって一部補助等がでるケースもある。
従業員持株制度については、社員にとっては福利厚生の一環(従業員の資産形成)としての意義がある。企業側にとっても従業員の経営参加意識の向上、企業によって持株会という安定株主の形成というメリットがある。

なお、従業員持株制度は上場企業だけのものではなく、未上場企業でも行っているケースがある。

マイナンバー

マイナンバーとは、日本における国民総背番号制の名称。政府が国民一人ひとりに対して個別の番号を付与して個人情報を管理するための制度。それぞれの個人情報をマイナンバーと紐付けすることにより、社会保障、納税、免許などの効率的な運用が可能になるという長所がある。

2012年時点では、基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポート番号、納税者番号など各行政機関がそれぞれの業務遂行のために縦割りで独自の番号を付与している。
マイナンバー制度はこれを「マイナンバー」という一つの番号の元に統合して管理しようという試みである。

利用者のメリットとしてはこれまで年金手帳、健康保険証、介護保険証などを一体化できるほか、各種行政的続きの簡略化などが挙げられる。
行政上のメリットとして、生活保護等の不正受給の抑止、脱税の抑止、各種行政コストの削減などが挙げられる。

一方、マイナンバー制度による弊害・デメリットとしては「個人情報が集まりすぎるため、その管理体制や悪用された場合の対処等を十分に配慮する必要があること」「制度導入には約1兆円といわれる膨大なコストがかかること」などが挙げられる。

2013年5月27日

ふるさと納税

ふるさと納税とは、居住していない任意の自治体に寄付をすることで寄付した額のほぼ全額を税額控除される制度。個人住民税の範囲など多少の制限はあるものの、自分が故郷や応援したい自治体などに寄付ができる制度となっている。

制度は2008年4月30日交付の「地方全法等の一部を改正する法律」によって、個人住民税の寄附金が拡充される形で導入。地方間の格差や過疎などにより税収減となっている自治体への格差是正を目的として導入された。

また、近年では一部の自治体がふるさと納税をした人に対しての地域特産品のプレゼントなども実施しており、それ目的でふるさと納税を利用する人もいるようである。

ボラティリティ・インデックス

ボラティリティ・インデックスとは、「VIX指数」「恐怖指数」とも呼ばれる指数の一つ。シカゴオプション取引所(CBOE)がS&P500を対象とするオプション取引のボラティリティ(変動幅)を元に公表している指数。ボラティティが高くなるほど指数は上昇する。

ボラティリティ・インデックスは投資家の心理を示すと言われており、ボラティリティ・インデックスが高いほど、投資家は株価の先行きに対して不透明感を持っていることを意味している。金融危機など大きな相場変動が起こるとボラティリティ・インデックスは急上昇する。

なお、一般的にボラティリティ・インデックスの指数値は10-20程度で推移している。アジア通貨危機の時には38、米国同時多発テロでは44、リーマンショック時には一時90近くまで上昇したこともある。

ちなみに、ボラティリティ・インデックスに対する投資も可能で「ETF(上場投資信託)」として販売されている。これは日本国内でも投資可能であり「国際のETF VIX短期先物指数(1552)」である。

また、ボラティリティ・インデックスはS&P500を対象としたものだけではなく、国内の株価指数に対しても存在している。我が国における日経平均株価(日経225)を対象とするものに「日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)」がある。こちらはETNによる投資が可能で「NEXT NOTES 日経平均VI先物指数 ETN(2035)」で投資が可能となっている。

2013年5月28日

PFI(Private Finance Initiative)

PFI(Private Finance Initiative)とは公共施設の建築など公共サービスを実施するにあたって、民間の資金を活用して、民間に施設やサービスの提供をゆだねる手法のこと。日本では1999年7月にPFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)が施行され、活用が始まった。

国や地方自治体等が公共サービスを行うよりも事業費用を削減したり、より高品質の公共サービスを提供することが目的となっている。近年ではPFIの手法を使って公共施設に民間商業施設を組み込むことなども検討されている。

従来でも公共事業に民間の資金を導入する方法として「第三セクター」というものがあるが、この第三セクター方式では、自治体も経営に加わることによる経営責任の不明確化や非効率な経営などが問題視されており、近年はこうしたPFI方式やPPP方式などの利用も増えている。

純現金収支

純現金収支(じゅんげんきんしゅうし)とは、フリーキャッシュフローとも呼ばれる。キャッシュフロー計算書での「営業活動によるキャッシュフロー」と「投資活動によるキャッシュフロー」を加えたものを指す。企業が営業活動とその維持に必要な投資を行いながら、生み出すことができる現金(キャッシュ)の大きさを示しており、企業評価を行う上で重要な指標の一つである。

会社が通常の営業活動とその維持に必要な投資を継続しながら、常時生み出すことができるキャッシュの大きさを示します。企業評価における有力な指標。
特に、企業評価においてその価値を算定するときには、この純現金収支が重要視される。
将来の純現金収支の合計を現在価値(現在割引価値)として、保有する資産の時価評価の合計から債務を控除したものを企業価値として評価する。

2013年5月29日

損失回避性

損失回避性(そんしつかいひせい:loss aversion)とは、行動経済学、行動ファイナンスにおけるモデルの一つ。人は利益から得られる満足度よりも損失によって得る苦痛の方をより大きく評価するという心理のこと損失は同額の利益よりも強く評価されるというもの。

いい環境がより良い環境になるよりも、いい環境から悪い環境に移る方が嫌だと思う人が多いと思うが、それが損失回避性である。投資などにおいても損失回避性は言われており、個人投資家の多くが利益確定の決済売りは早いのに、損失確定(損切り)は遅いというのはこの損失回避性から説明することができる。

利食い

利食いとは、投資において「売却(決済)して利益を確保する」ことを指す。含み益がでている株や為替などを売却または決済することによって利益を実現させて取引を終了させることを指す。対義語は「損切り」。投資において「含み益」というものは、その後の変動によって消えてしまうかもしれないが、利食いすることで利益を確実なものにすることができる。

利食い千人力という相場格言があるとおり、利益を確定させることは投資において重要な要素である。
一方で、利食いだけを急ぎ、損切りを適切に行えない場合は、コツコツと積み上げた利益をドカンと失ってしまうリスクもあるだけに、利食いは損切りと同様に、しっかりとルールを作って管理したいところである。

損切り

損切り(そんぎり)とは、ロスカット、ストップロスなどとも呼ばれる。含み損が出ている投資において損が出ている状態で売却(決済)を行って損失を確定させる注文のことを指す。対義語は「利食い」。

利食いと並び、損切りについてもしっかりとルールを作って管理することが重要である。相場格言にも「損切りはすばやく」「見切り千両」などという言葉がある通り、古くから損切りは投資において重要な要素であるとされている。

そのため、投資をする前から失敗した時の損切りのルールを決めておくことが大切である。
スタンダードなものとしては1取引当たりの損失許容額を決め、その上で、投資対象のボラティリティ(変動幅)の大きさとを勘案して投資数量を決める、所定の金額でストップロス注文(逆指値など)を入れておくというもの。

たとえば、1取引当たりの損切り額を10万円として変動幅が10%で損切りを決めたとする。この場合の投資可能額は10万円÷10%で100万円となる。
損切りと同様に利食いについてもルールを決めておくと良い。

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