ADR(米国預託証券)
American Depositary Receipt
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- 米国預託証券
ADRとは
ADR(American Depositary Receipt、米国預託証券)は、米国外企業の株式を裏付けとして、米国市場で取引できるようにした預託証券です。米国の預託銀行が発行し、通常は米ドル建てで売買されます。
図解
ADRの発行と取引
- 米国外企業の原株本国の市場・通貨で発行
- 現地保管銀行原株を保管
- 米国の預託銀行交換比率に応じADRを発行
- 米国市場ADRを米ドル建てで売買
- 投資家配当・権利は預託銀行経由
ADRの仕組み
1. 原株を預ける
米国外企業の株式を、現地の保管銀行などを通じて預託します。
2. ADRを発行する
米国の預託銀行が、預けられた原株に対応するADRを発行します。
3. 米国で取引する
投資家は取引所または店頭市場で、ADRを米ドル建てで売買します。
4. 権利を受け取る
配当や議決権に関する手続きは、預託銀行を介して処理されます。
厳密には、ADRは預託株式を表す証書、ADS(American Depositary Share)はその持分を指します。ただし市場実務では、売買される預託証券全体をADRと呼ぶことが一般的です。
日本株ADRと原株価格の見方
日本企業のADRを原株と比べるときは、単純に米ドル価格と円建て株価を並べるのではなく、交換比率と為替レートをそろえます。例えば1ADRが原株2株を表すなら、ADR価格を円換算した後、2で割ると原株1株相当の参考価格になります。
ただし、日本市場と米国市場では取引時間が異なります。米国時間中に企業ニュース、為替変動、市場全体の値動きが生じると、ADR換算値と日本市場の終値に差が出ます。翌日の日本株の方向を考える材料にはなりますが、寄り付き価格を保証するものではありません。
スポンサー付きADRとスポンサーなしADR
発行企業が預託銀行と契約して設けるものをスポンサー付きADR、企業の直接関与なしに預託銀行が設定するものをスポンサーなしADRと呼びます。上場市場、開示内容、投資家が利用できる情報、手数料の扱いはプログラムによって異なります。取引前に銘柄情報と預託契約の条件を確認する必要があります。
配当・為替・手数料の注意点
- 為替リスク:原株が値上がりしても、通貨の変動によって円換算損益が小さくなる場合があります。
- 価格差:取引時間、流動性、需給、交換比率の変更などで理論上の換算価格とずれることがあります。
- 配当:配当金は通貨換算や税、預託銀行の手数料などが差し引かれる場合があります。
- 開示・上場区分:取引所上場か店頭取引か、スポンサー付きかどうかによって情報量や規制上の扱いが異なります。
ADRについてよくある疑問
- ADRは米国企業の株式ですか?
- いいえ。米国外企業の原株を裏付けとする米国の預託証券です。発行企業そのものが米国企業になるわけではありません。
- ADR価格は日本株の翌日価格と同じになりますか?
- 同じになるとは限りません。交換比率と為替を調整して比較できますが、取引時間や需給の違いがあるため参考値として見ます。
- ADRなら為替リスクはありませんか?
- ADRは米ドルで取引されても、裏付けとなる企業価値や配当は本国通貨の影響を受けます。円で損益を考える日本の投資家には円・米ドル間の変動も影響します。
- 関連用語
- 海外委託取引(外国株)海外株式を売買する別の仕組み
- 為替レート原株との換算価格に影響
- 配当金預託銀行を介して支払われる権利
- NASDAQADRが上場する米国市場の一つ
- 有価証券ADRを含む金融商品の分類