カルテル
Cartel

- 英語
- Cartel
- 領域
- 税務・法務・決済規制
- 確認の中心
- 事業者間の合意と競争制限効果
カルテルとは
カルテルは、競争すべき事業者同士が価格、数量、取引先、受注予定者などを共同で決め、市場の競争を実質的に制限する行為です。
明文の契約だけでなく、会合、連絡、行動の一致などから意思の連絡が認定される場合があります。公共入札で受注者や価格を調整する談合も代表例です。
競争を止める合意の構造
- 競争事業者本来は独立に条件を決定
- 価格・数量の合意連絡して行動を調整
- 競争の実質的制限選択肢や価格競争が減少
- 独禁法上の措置命令・課徴金・刑事責任
仕組みと類似用語の違い
仕組み
明文の契約だけでなく、会合、連絡、行動の一致などから意思の連絡が認定される場合があります。公共入札で受注者や価格を調整する談合も代表例です。
類似用語との違い
独占は一社が市場支配力を持つ状態、カルテルは複数事業者の合意による競争制限です。合理化や共同化の名称でも、内容によっては問題になります。
使い方・読み方と注意点
同業各社が値上げ時期と価格を事前に合意し、各社がそれに従うと、顧客が価格競争の利益を受けられなくなるため、不当な取引制限となり得ます。
日本では独占禁止法が不当な取引制限を禁止し、排除措置命令、課徴金、刑事罰の対象になり得ます。「不況なら一般的に容認される」という理解は現行実務に適切ではありません。
同じ時期の値上げは、すべてカルテル?
原材料費、人件費、物流費などが上がったとき、コストを販売価格へ反映する価格転嫁は一般的な事業活動です。重要なのは、価格を上げるか、いつ、どの程度上げるかを各社が独立して判断しているかです。複数社の値上げ時期や値幅が似ていることだけで、カルテルと決め付けることはできません。
競争する会社同士が値上げ幅や実施時期を申し合わせ、その合意に従って競争を実質的に制限することが、価格カルテルの問題になります。物価高や業界共通の費用増があっても、競争者間で価格を共同決定してよい理由にはなりません。
価格の結果と、決め方を分けて見る
たとえば、A社・B社・C社が同じ原材料の値上がりに直面したとします。各社が自社の費用、需要、競争状況を検討し、別々に値上げを決める場合があります。一方、3社で値上げの条件を申し合わせれば、独立して価格を競うはずの関係が変わります。見た目の値上げが似ていても、意思決定の過程は同じとは限りません。
共通の費用増に対して、誰が価格を決める?
各社が独立して判断
- A社自社で検討・決定
- B社自社で検討・決定
- C社自社で検討・決定
価格や時期が似ていても、類似という結果だけでは判断できない
競争者間で申し合わせ
その合意により競争を実質的に制限することが問題
カルテルは価格の引上げに限りません。生産量、販売先、地域、受注予定者などの取り決めによって、競争を制限する場合もあります。事業者団体の会合などを通じた取り決めも、確認の対象になります。
「強制調査」のニュースは、違反確定と分けて読む
公正取引委員会の事件調査には、排除措置命令などの行政処分につながり得る行政調査と、刑事処分を求める告発の対象となり得る事件を調べる犯則調査があります。犯則調査では、裁判所の許可状に基づく捜索・差押えなどが行われます。
「強制調査」という言葉は、犯則調査を指す場面のほか、罰則によって回答等を担保する行政調査などの意味で使われることもあります。見出しだけで手続を決め付けず、公表資料で何の調査かを確認します。
調査は、違反の疑いについて事実を明らかにするための手続です。調査開始、告発、行政処分、裁判所の判断はそれぞれ区別します。ニュースを読むときは、対象となる商品・取引、疑われている合意の内容、調査と処分のどの段階かを確認しましょう。調査段階の報道だけから、個々の会社の違反や課徴金額が確定したとはいえません。
カルテルについてよくある疑問
- 同じ時期に値上げすると、カルテルですか?
- 時期や値幅が似ているという結果だけでは判断できません。共通の費用増に対して各社が独立して価格を決める場合と、競争者間で価格や時期を申し合わせ、競争を実質的に制限する場合を区別します。
- 価格以外の合意もカルテルになりますか?
- 生産数量、販売先、販売地域、受注予定者などの取り決めも、競争を実質的に制限する場合には問題になります。公共入札で受注者や価格を調整する談合も代表例です。
- 強制調査を受けると、違反が確定したのですか?
- 調査は疑いについて事実を明らかにする手続で、調査段階だけでは違反や処分が確定したとはいえません。公表資料で調査の種類と対象、告発・行政処分・裁判などの段階を確認します。
- 関連用語
- インフレーション物価全体の変化と個々の価格判断を区別
- コストプッシュインフレ費用増が価格に波及する仕組みを確認
- 競争入札独立した入札と談合の違いへ接続