個人住民税

こじんじゅうみんぜい

Individual Inhabitant Tax

住民税の通知書と家計の書類を、カレンダーのある机で確認する人のイラスト

個人住民税とは

個人住民税は、都道府県民税と市区町村民税を合わせた地方税です。所得に応じる「所得割」と、定額の「均等割」があり、原則として前年1年間の所得を基に、その年の1月1日の住所地で課税されます。身近な行政サービスを支える財源の一つです。

たとえば2026年度の住民税は原則として2025年の所得に対する税金です。今年の収入が減っても、前年の所得を基にした負担が残ることがあります。「今月の給料の何%か」だけでは、通知書の金額を説明できません。

住民税には法人に課されるものもありますが、給与や家計の通知書で問題になるのは個人住民税です。国に納める所得税とは、課税の時期や控除の額などが異なります。

前年の所得が、いつの住民税になる?

2026年度分の給与からの特別徴収

  1. 前年の所得が計算の基礎

    給与・事業などの所得と、適用される控除を確認

  2. 原則、この日の住所地で課税

    その後に引っ越しても、その年度の課税先が月ごとに移るわけではない

  3. 2026年度分の給与天引きが始まる

    自治体が決定した税額を、勤務先を通じて納める

  4. この年度分の通常の徴収期間が終わる

    給与からの特別徴収は、通常6月〜翌年5月の12回

給与の特別徴収の基本的な時系列です。退職・転職時には残額の一括徴収や普通徴収への切替などで納め方が変わる場合があります。退職所得などには、前年課税とは異なる取扱いがあります。

所得税はその年の所得に課税され、給与では源泉徴収した額を年末調整などで精算します。住民税は前年の所得を基に自治体が税額を決めるため、年末調整で住民税そのものを精算するわけではありません。

所得割10%・均等割4,000円と、森林環境税1,000円

給与などの総合課税の所得割は、標準では合計10%です。掛ける相手は給与の額面ではなく、所得から所得控除を引いた課税所得。給与収入から給与所得を求める際の給与所得控除と、その後に差し引く所得控除も区別します。

総合課税の標準的な構成(2026年10月確認)
区分標準の税率・年額計算・徴収の関係
所得割:市区町村民税6%課税所得を基に計算
所得割:都道府県民税4%市区町村分と合わせて10%
均等割:市区町村民税年3,000円都道府県分と合わせて年4,000円
均等割:都道府県民税年1,000円課税対象者に定額で課税
森林環境税年1,000円国税。住民税の均等割と併せて徴収

東京都主税局・横浜市の公式説明を2026年10月18日確認。政令指定都市の標準の所得割は市8%・道府県2%で合計10%です。分離課税の所得は税率などが異なり、自治体による超過課税や非課税・減免等もあります。表の年額をすべての人に一律に課すという意味ではありません。

森林環境税は、住民税と一緒に納めても国税です。2024年度から1人年1,000円が課税されています。均等割の標準額4,000円と合わせた定額部分は5,000円ですが、所得割とは別の負担です。

自治体の上乗せがある例として、横浜市の公式説明では所得割が市8%・県2.025%、均等割が市3,900円・県1,300円です。合計10.025%・年5,200円となり、森林環境税はこれと別に徴収されます。標準の「10%・4,000円」と通知書が異なるときは、自治体の税率・適用年度を確認します。

課税所得200万円なら、税額控除前はいくら?

総合課税の課税所得を200万円、標準税率10%、均等割の標準額4,000円と仮定します。森林環境税も課税される場合、税額控除前の構成は次のようになります。

所得割:2,000,000円 × 10% = 200,000円

均等割:3,000円 + 1,000円 = 4,000円

森林環境税:1,000円(国税)

合計:205,000円(税額控除前)

200万円は年収ではなく、所得控除後の課税所得という仮定です。実際の所得割では調整控除、寄附金税額控除、住宅借入金等特別税額控除などが反映される場合があり、自治体の超過課税や端数処理等もあるため、この205,000円をそのまま納付額としないようにします。

所得控除は税率を掛ける前の課税所得を減らし、税額控除は計算した税額から差し引きます。通知書では「収入」「所得」「所得控除」「課税標準」「税額控除」を順に確認すると、金額が変わった理由を追いやすくなります。

給与天引きと納付書、退職後の負担の違い

勤務先が給与から差し引き、本人に代わって自治体へ納めるのが特別徴収です。給与の場合は通常6月から翌年5月まで。自分で納税通知書などに基づいて納めるのが普通徴収で、通常は年4回に分けます。具体的な納期限は自治体の通知で確認します。

退職して給与がなくなっても、前年の所得を基にした年度の税額が残ることがあります。退職・転職時に最後の給与からまとめて差し引くのか、納付書で納めるのか、新しい勤務先で徴収を続けるのかを確認します。公的年金から特別徴収される場合もあり、収入の種類で納め方が違います。

住民税が非課税となる条件もあり、所得割と均等割のどちらが非課税かで意味が変わります。扶養人数、所得の種類、年齢や自治体等の条件を確認し、単一の「年収○万円」だけで判定しないようにします。

個人住民税についてよくある疑問

今年の給料が減ったのに、なぜ住民税は高いままですか?
原則として前年の所得を基に翌年度の税額が決まるためです。2026年度分なら2025年の所得が基本になります。納め方や減免等の対象は、通知書と自治体の案内で確認します。
年収の10%を払うのですか?
給与の額面に単純に10%を掛けるわけではありません。給与所得控除や所得控除を経た課税所得を基に所得割を計算し、税額控除等を反映します。均等割と森林環境税も別に確認します。
森林環境税1,000円は地方税ですか?
国税です。市区町村が住民税の均等割と併せて徴収しますが、都道府県民税・市区町村民税とは税の区分が異なります。課税されない条件もあるため、通知書の内訳を確認します。
引っ越したら、その月から新住所の自治体へ払いますか?
原則として、その年の1月1日に住所のあった自治体が年度分を課税します。その後に転居しても月割りで課税先が移る仕組みではありません。転居前の自治体から届く通知も確認します。
カテゴリ
関連用語
  • 給与所得給与収入と課税の基礎になる所得を区別する
  • 年末調整その年の所得税の精算と翌年度住民税を区別する
  • 地方交付税住民が納める地方税と、国から自治体への財源配分を比べる