地方交付税

ちほうこうふぜい

Local allocation tax

共通の財源から二つの地域へ資金を配分し、学校や公共施設を支える地方交付税のイメージ
地域の財政力の違いを調整し、暮らしを支える行政サービスの財源を保障します。
英語
Local allocation tax
領域
地方財政・財源配分
確認の中心
標準的な行政需要と、自治体の財政力との差

地方交付税とは

地方交付税とは、国が集めた税などを財源に、地域ごとの財政力の差を調整し、自治体が標準的な行政サービスを提供できるよう配分するお金です。地域の税収だけでは不足する財源を補い、学校、福祉、消防などの行政を支えます。

住民が自治体へ直接納める地方税とは受け取り方が異なり、国から自治体へ交付されます。地方の固有財源という性格を持ち、特定の事業に使途を限定しない一般財源として扱われます。

普通交付税は「標準的な不足」を基に決まる

普通交付税では、標準的な行政を行うために必要な一般財源を「基準財政需要額」、自治体の財政力を標準的に見積もった額を「基準財政収入額」といいます。需要額が収入額を上回る財源不足額が、交付額の算定の基本になります。

需要額は、行政の種類ごとに人口や面積などで規模を測り、費目別の単価と地域条件による補正を反映して積み上げます。収入額も、実際に入った税収の全額をそのまま使う数字ではありません。そのため、自治体が現実に多く支出した分を、そのまま国が補う仕組みとは異なります。

必要額200億円を、150億円と50億円で支える例

人口・年齢構成・面積などの規模
+ 行政費目の単価・地域条件
標準的な行政需要を見積もる

基準財政需要額200億円
基準財政収入額150億円
財源不足額50億円

200億円 − 150億円 = 50億円
この不足額を基礎に普通交付税を算定

数値は説明用の仮定です。実際には法定の調整や年度ごとの制度が反映され、個別自治体の交付額をこの図だけで計算することはできません。

なぜ国勢調査の人口が、財源配分に関係するのか

人口統計は、単に地域の人数を示すだけでなく、地方行政にどの程度の財源が必要かを測る材料になります。国勢調査の人口、65歳以上・75歳以上の人口、世帯数などの結果は、地方交付税の算定に利用されています。

ただし、すべての行政費目を人口だけで測るわけではありません。地域条件による補正や標準的な収入の見込みも関係するため、「人口が1%増えれば、交付税も必ず1%増える」とは読めません。人口をめぐるニュースでは、どの統計の何年の数値か、どの年度・費目の算定に使うのかを確認すると、財政への影響を理解しやすくなります。

普通交付税と特別交付税

普通交付税は、標準的な算定方法で測った需要と財政力の差を調整します。特別交付税は、その算定だけでは十分に捉えられない特別な事情や、災害などによる財政需要を考慮して交付するものです。

地方交付税の全国総額と、個々の自治体に配分される額も区別します。国の予算に書かれた交付税総額の増減だけから、特定の自治体の交付額が同じ割合で増減すると判断することはできません。

地方税・国の補助金・借入金との違い

地方税
住民税など、自治体が住民や企業から徴収する税です。地域の経済規模などによって税収に差が生じます。
国庫支出金
国が特定の事務事業のために交付する負担金・補助金・委託金などです。地方交付税のような使途を限定しない一般財源と区別して、対象事業や条件を読みます。
地方債などの借入
資金を借り、将来返済することで財源を調達します。地方交付税は、通常の資金の受け取り方として、借入金のように元本を返済する財源ではありません。

地方交付税についてよくある疑問

人口が多い自治体ほど、必ず多く受け取れますか?
人口は算定に使う重要な材料ですが、行政費目、地域条件、標準的な収入なども関係します。人口だけの順位や比例では交付額を判断できません。
赤字になった分はすべて補ってもらえますか?
普通交付税の基礎は、標準的に算定した需要額と収入額の差です。実際の決算赤字や、自治体が任意に増やした支出額をそのまま補填するものではありません。
国が決めた事業にだけ使うお金ですか?
地方交付税は使途を特定事業に限定しない一般財源です。自治体は予算を通じて行政に活用します。特定の事務事業のために交付される国庫支出金とは性格が異なります。
カテゴリ
関連用語
  • 財政政策公共サービスと財源を通じた政策の全体像
  • 財政収支実際の歳入・歳出の差と、標準的な算定額を区別する基礎
  • 所得税地方交付税の財源を構成する国税の一つ
  • 消費税国税収入の一部が地方の財源にもつながる税